ショパンのノクターンといえば、あの有名なOp.9-2のメロディーが浮かぶと思います。
はっきり言って私もそうです。
しかし実は、ショパンはノクターンを他にも結構な曲数作曲しています。
どれも素敵な曲ばかりですが、この遺作のノクターンが2番目に良く耳にする気がします。
映画『戦場のピアニスト』で使われてより有名になったようです。
さて、遺作って何?と思った方。
遺作とは、作者が亡くなってから楽譜が発見されたりして後に出版された曲のことです。
だから、出版社によってノクターン集にこの曲が載ってなかったりもします。
こんなに素敵な曲なのに生前発表されていなかったなんて…と思ってしまいますね。

この何とも言えぬ寂し気なメロディー、少しずつ秋が深まり肌寒い今の季節になると思い出します。
冒頭の長いトリルは冷えた空気のおかげでより美しく響く気がします。
ピアノは温度や湿度に敏感です。よく聞くと音が違って感じますよ!
そして曲の終わりに連続して出てくるスケール(音階)は、落ち葉が風に吹かれて渦を巻くよう…
切なく冬の訪れを知らせて幕が引かれます。
でも時々、私はふとこの音階のところで昭和の名曲「恋人よ」を思い出してしまうんです。
♪ 枯れ葉散る夕暮れは~ 来る日の寒さを物語り~
素晴らしい歌唱力、五輪真弓さんの歌声が頭から離れなくなってしまいます。(苦笑)

 

織田真紀ピアノ教室主宰

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